御成(おなり)

ymichis2007-01-21

NHKの番組「知るを楽しむ・歴史に好奇心」で日本酒なるほど物語をしていた。日本酒が文化に及ぼす力は大。そもそもは米だけど。そこに神社や寺、神と仏も関わる。室町時代には味噌や醤油の原形たれ味噌などの調味料ができ、酒の肴として日本料理がおいしくなりレパートリーも増えたということだ。
将軍が大名の振る舞いを受けに出かけることを、御成(おなり)といいい、そこで祝宴のための肴に贅が尽くされた。そう言えば、将軍が大奥に出向くときも御成と言う。能や狂言など古典芸能も酒の肴として発展したらしい。さらには盃事がある。大盤振る舞いの大名は大変だ。


年末クリスマスイブにリーガロイヤルホテル広島で「奥出雲桜井家」の「古式おもてなしご膳」という価格的に豪華な料理を食べに行った。贅沢な価格だけど、昔発見としてはこういうときはお金を出そうと決めたのである。スポンサーもいないし、もちろん自腹。
江戸時代天保15年(1884)の料理再現。テレビでは将軍の御成だったけど、地方では大名の御成。奥出雲の桜井家(当時は奥出雲の鉄山業を取り仕切った名家)に松江藩の松平不昧公などが、御成になったらしい。


山陰の再現料理も、やはり酒の肴が主で、日本酒のための料理だった。おもてなしご膳としては、珍しくて貴重なものを材料にする。ぶりの燻製、十六島(うっぷるい)の岩海苔など。ぶりは地域の産物ではないだけに北前船で届いたものを燻製として保存され、庶民は口にできないものであったらしい。岩海苔は地域の産物だが、奈良・平安時代から朝廷に貢納品とされていたとか。
地域色はあるだろうが、全体的に色目は今風の懐石料理などとは違う。
味噌と醤油と海産物と日本酒。これぞ日本の味。


昔の人は延々と酒を酌み交わしていたことを実感。
酒は世につれ、世は酒につれ。
いろいろあったのだ・・・・・。
これからも。