夢の実現

1978年頃から10年間東京に住んでいた。井の頭線東松原、京王線代田橋が最寄駅で新宿にも渋谷にも近い東京のど真中。酒場が好きな同級生がいて、渋谷のガード下の小さな飲み屋によく行っていた。
そこで2,3回出逢った忘れられない人。その人は映画監督志望で、当時助監督。監督志望の助監督は数多い。他でもそんな人に会ったことがある。でも狭い店で語られる彼の映画への情熱は、人並みではないのが伝わる。最初に見たときから「この人は絶対映画監督になる」。私の中にキラリと直感が走った。
それは夏の日のこと。

それから、半年以上経って、彼の映画ができることがわかった。映画界は、不況時代で自主上映だった。その後、彼はその映画で、賞を獲得。外国でも絶賛された。2作目、3作目も外国で絶賛、賞多数。直感が当たってうれしかった。


お金もなく挑戦もやむなしを繰り返しても(であればこそ)、人並み以上の情熱によって夢を実現できる。30年前(私達が30代)はまだそんな時代だった。

これって、今もそうなのだろうか。ビンボーがお笑いになっている。
夢に向かう情熱のある人はいつもいると思うけど。実現への情熱は極限状態に近いほど強くなる。まじめで、深刻なのは嫌われそう?


と、ここまでは、去年の今頃書いた。奇しくもその直後、その監督が本を出し、やはり極限状態だったことを知った。
1年後の今日この頃、ビンボーがお笑いになっているって? 
それはすでに過去のこと。今テレビで一番面白いのは参院選真っ只中、バンソコくんなどが登場する番組では?
すみませ〜ん。まじめじゃなくて。
でも、今だ「夢の中へ」、情熱はまだある。