殯の森

ymichis2007-06-15

運よくBSハイビジョンでカンヌ映画祭特別賞の「殯の森」を見た。緑の映像がとてもきれいで、日本の自然がまだ十分感じられた。テーマは生と死。日本的なものがあちこちにあったが、難解だった。私は普通の人なので、現実は違うよね、とかが頭に浮かんで映画の世界に入りきれない。それは現実に慣れすぎているということか。感性の問題もある。認知症を自然に織り込んでいることは、よくわかり、賛成。


感激は映画を見たあとの監督のインタビュー。38歳の河瀬直美監督は、日本のいいところをたくさん知っている。それを、伝えようとしている。彼女は縁のあるおばあさんに育てられた。認知症になったその人から受け継いだものを伝えようとしている。
肉親でなくても、伝わるものは伝わる。伝わるものはどんな人からもどんな人にも伝わる。現実の生活を大事にして、人に対する心で、深さで。「昔いろいろ発見隊」活動もそういうことから始まった。30代で、そのことを実現し、国際的評価を受けた人がいるというのが、同じ思いのものとしては、うれしい。


彼女が育った奈良の自然も、この映画ができた要因の一つ。
あの映像の自然がなくなることのないように、産土神(うぶすなかみ)にお願いしたい。

最近めっきり神の存在を意識したい心境は、今の世相のせい?
それとも、何回も手塚治虫の「火の鳥」を読んでいるせい?
いや、歳のせい?