マンション暮らし

マンション暮らしを始めて早半年以上を過ぎた。地面につながってないのは、何か不安だけど、同じフロアの人とよく行き来し、幸いにも孤独感はない。築30年を過ぎた老マンション、いきなり修繕問題が起こってきて、交通の便利さのみが取り柄になってしまった。だが、修繕問題がなかったら、マンション内のことにそれほどの興味もなかっただろう。修繕委員をしてみることにしたら、見えないものが見えてきた。委員同士で、話し合いをする機会が多く、集いも増えた。


マンション老朽化に伴う、ハードとソフトの問題。マンションに暮らす人は、孤独を愛する人、人付き合いを好まない人が多いような、人付き合いしたいけど戸惑う人が多いようなところだ。マンション住民はマンション管理組合員であるが、理事は回り持ちで、何事もなければそれでよい。マンションの全体のこと、人のことなど、あまり考えてない。それが、マンション暮らしの良さでもあるが・・・。


でも、老朽化したマンションには当然老いた人も多い。孤独を愛するなどと、言ってたら、いつのまにか、ということもある。パリで、往年の名女優がマンションで孤独死、と聞いたときのフランス人の感覚と日本人の感覚とは違う。そんなことを、修繕問題で、知り合った同年代の人たちと話している。昔の家がなくなって、形は欧米になっていても、中味は欧米にはなりきれない私達世代。欧米人になる必要もないけど、この助け合いの文化は1950年代。私達世代は、そのわずらわしさも少し知っている。でも、何らかほっとけない、気持がどこかにある。今の20代女性は「1950年代市民感覚」に向けて回帰傾向にあるのではと、一日に8000件のアクセスがある内田樹さんのブログに書いてあった。


団塊世代の持つ文化、大事にしなくっちゃ。