回想法

「昔いろいろ発見隊」は高齢者の経験知を子ども達の体験知にと、始めた、老人保健施設で実施していた「回想法」という、アクティビティというか、療法がヒントだった。
回想することは心理療法の一つだ。


高齢者と話すとすぐに昔の話になり、「もう聞いたのに」ということが多く、家族の悩みの種にもなる。しかし、この昔の話をしているときに、高齢者の脳は活性化し、精神的にも居心地がよくなる。イギリスで始められたことだが、昔のことにテーマを持ち、8人くらいのグループで話し合う。1時間くらいすると、それぞれに笑顔が見える。認知症の人も昔のことは、生き生きと話される。


回想法によってたくさんの話を聞き、それぞれの人が生きて来られた文化を感じた。一人の人の中に生きてきた文化がある。いつの時代も新しい文化ができていくのだが、現在80歳、70歳の人たちが持っている文化は、貴重だ。もっと声を上げたい。


年を取るということは、文化を繋げていくことではないだろうか。
そこにコミュニケーションがある。