お江戸は遠くなりにけり

子ども落語塾の女の子が一人、あの味のある「船徳」を選んで練習し、もうすぐ発表会が迫っている。


子ども用の落語の本に出ているので、本人が選んだ演目だ。


本人が選んだのだから、面白いと思ったのだろうし、本はそのように書いてあるのだろう。


発表会を目前にやっと覚えたので、芸がどうこうというものでもない。


それに、彼女は船を漕ぐということを知らず、棹が流されるという場面のイメージができてないことがわかった。


母親にそういうと、「そうですね」とわかっているように言う。


そして、携帯電話から子どもに船頭さんの画面を見せ、棹はこれで、流されるとはこういうことよと説明していると、母親もそれを見て、「そうだったんですね」。


な〜んだ、このお母さんも知らなかったんだ。


と笑い話にもなりそうな現代のイメージギャップ。


お江戸は遠くなりにけり。





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